子どもたちは、(マリアの)出現の最中には時間が止まっているような印象を受けた。そのために、1時間以上にもわたって脱魂状態にあった後、彼女たちはしばしばこう叫んだ。
「行かないで。どうしてそんなに早く行くの? まだ1分もここにいないじゃない。えっ? そんなに長くいたの? たった1分だと思ってた」
『マリアは急いで山へ上った』第5章、92ページ
この出現において──目撃談によれば──マリ・クルスは、厚さ2インチ(5センチ)ほどの鋭い石のくさびの上に、痛みや不快感を示すこともなく、ずっとひざまずいていたとのことである。
さよならを言う時間が来ると、彼らは宙に向かって投げキッスをし、小さな子供がよくするように、別れの挨拶をするために手を開いたり閉じたりしたという。
ところが、別れの前に、彼らは幻に対して「こんなに早く行かないで」と訴えた。「もう1時間も経っているの? いやだ! たった1分だけじゃない……1時間と15分も経っているの? いやだあ! ほんのちょっとだけじゃない……でも、あなたがそう言うなら、ほんとなのね。あなたは嘘を言わないから」。
コンチータは聖母の言葉を繰り返した。「1時間と25分」。 出現が続いていた時間と全く同じだ。
電気が切れた電球のように、4人は突然、一斉に正常な状態に戻った。4人は一斉に視線を下げた。
『ガラバンダルの出現』 サンチェス・ベンチュラ・パスクアル著
第4章、59ページ